【図解】固体伝播音とは?マンションの騒音トラブル原因と対策を府中専門家が解説

固体伝播音の発生と伝播の仕組みを示す断面図 子育て・暮らし

東京都府中市を中心に賃貸物件の管理とリフォームを行う専門会社、リノライクです。

私たちが長年、集合住宅の騒音問題に取り組む中で、最も解決が難しく、トラブルに発展しやすい問題が、階下に響く「固体伝播音」です。

  • 「上の階の足音がうるさい」
  • 「洗濯機の振動が壁を伝ってくる」

といった悩みは、全てこの固体伝播音が原因で発生しています。

しかし、

  • 「固体伝播音とは何か」
  • 「なぜこんなにも響くのか」

を正しく理解している方は多くありません。

今回の記事では、

  • 騒音の専門用語である固体伝播音の定義
  • 空気伝播音との違い
  • 私たち府中の物件管理のプロが現場で実践してきた具体的な対策

までを、分かりやすく解説します。

この知識が、あなたの快適な暮らしへの第一歩となることを願っています。

固体伝播音とは?定義と空気音との決定的な違い

騒音問題の解決には、まず音の性質を理解する必要があります。

「固体伝播音」とは、その名の通り、「固体」を通して「振動」が「伝播」する音の種類を指します。

固体伝播音の発生と伝わり方の仕組み(固体伝播音の原因)

固体伝播音は、音の発生源が直接、床や壁、天井といった建物の構造体に衝撃や振動を与えることで発生します。

例えば、上の階で子どもが走り回ると、その足音の衝撃がコンクリートの床に直接伝わります。

床を振動させます。

この振動が、建物の躯体を伝わり、階下の天井や壁を振動させて、最終的に空気に音として放射されるのです。

音は、硬い物質を通して伝わるほど減衰しにくく、遠くまで伝わる性質を持ちます。

固体伝播音と空気伝播音の違い(マンションの騒音の種類)

固体伝播音と、一般的な「空気伝播音」は、音の伝わる経路が全く異なります。

マンションの騒音は、この2種類に分類されます。

特徴固体伝播音空気伝播音
伝わる媒体床・壁・建物の構造体(固体)空気
主な音源の例足音、ドアの開閉、洗濯機の振動、椅子を引く音、機械のモーター音話し声、テレビの音、犬の鳴き声、車の音(窓を通して)
対策の基本防振・衝撃を吸収する対策遮音・吸音で音を通さない対策

固体伝播音は、空気を伝わらず構造体を伝わります。

そのため、建物の強度が高いRC造のマンションでも防ぐのが難しいという特徴があります。

固体伝播音と空気伝播音の違いの図解
マンションの騒音対策は、音の種類によって取るべき対策が大きく異なります。

固体伝播音の主な発生源と具体的な事例

固体伝播音は、生活の中で何気なく行っている行動から発生します。

深刻な騒音トラブルの原因となります。

私たちが府中エリアで管理を行う中で多く寄せられる事例と、その原因を解説します。

上下階の生活音による衝撃

  • 子どもの足音・飛び跳ねる音:床に直接伝わる衝撃音は、固体伝播音の最も大きな原因です。特に、フローリングなど硬い床は、音の衝撃をそのまま構造体に伝えてしまいます。
  • ドア・窓の開閉音、物を落とす音:何気ない行動でも、その衝撃が建物全体に振動として伝わります。

設備や機械の動作音による振動(マンションの騒音)

生活音以外にも、建物に固定された機械から発生する振動も固体伝播音として問題になります。

  • 洗濯機・乾燥機のモーター音:高速回転するモーターの振動が床を伝わって、階下や隣室へと伝搬します。夜間の使用は特に問題となります。
  • エアコンの室外機・換気扇のファン:低く連続的なモーター音は、躯体を伝わり、耳に響く不快な音となります。
  • 給排水の音:水が管を流れる音や、トイレの排水音が配管を伝わって壁から聞こえるケースも固体伝播音の一種です。
洗濯機の下に防振マットを敷く固体伝播音対策
洗濯機や室外機の下に防振ゴムを設置するだけで、振動は大きく軽減できます。

固体伝播音の遮断と吸収対策

固体伝播音は、空気を遮断する遮音材だけでは解決できません。

「防振」と「衝撃の吸収」という2つの対策を行う必要があります。

発生源を絶つ「防振」対策(固体伝播音の対策)

最も効果的な方法は、振動の発生源と建物の構造体の接触を物理的に離すことです。

  • 防振マットの使用:特に階下への足音対策として、重量のあるゴム製や特殊な素材の防振マットを敷くことが有効です。これは、衝撃のエネルギーを熱に変えて吸収します。
  • 機器の固定:洗濯機や室外機の足の下に、振動を吸収するゴム製の防振材を敷き、構造体への振動の伝達を防ぎます。

DIYでできる遮音対策と吸音の組み合わせ

本格的なリフォームが難しい賃貸マンションでも、DIYでできる対策があります。

  • 壁・天井の吸音対策:音の放射を小さくするために、厚みのある吸音材を天井や壁に貼ります。特に、騒音を感じる部分への設置が効果的です。
  • 二重床・二重壁の検討:構造体から離れた新たな壁や床をつくる工法は、固体伝播音の遮断に高い性能を発揮します。(賃貸では管理会社への確認が必要です。)
DIYでできる固体伝播音の防音対策
階下への足音は、DIYでもできる防振マットの二重敷きが有効です。

騒音トラブルを解決するために(解決への道筋)

固体伝播音による騒音トラブルは、「音がする」という事実と、「気になる」という感情が複雑に絡み合っているため、解決は容易ではありません。

府中のプロが教える物件選びのノウハウ

私たちは、府中周辺で長年の管理実績を持つ専門会社として、騒音リスクの低い物件選びの知識を提供します。

  • RC造・SRC造を選ぶ:構造体の強度が高い建物は、音の伝わりにくさに優れています。
  • 最上階・角部屋を探す:上や隣からの伝播経路を減らすことが、最も効果的な対策となります。
騒音計と管理会社の相談書類
騒音トラブルの際は、まず客観的な状況を記録し、専門の管理会社にご相談ください。

固体伝播音の知識をさらに深める

固体伝播音の対策は、単にマットを敷くだけでは限界があります。

階下への配慮と、ご自身の快適な暮らしを両立させるために、より詳しく解決方法を知ることが大切です。

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